理想の職場を求めて

あなたにとって「理想の職場」とはどんな所でしょうか?仕事には余裕があり、人間関係もよく休暇もしっかり取れて毎日充実感を感じられる…、そんな「理想の職場」を考えても、それはあくまで「理想」に過ぎません。残念ながら、どの職場にも自分と合わない人がいたり、やりたくない仕事や対応の難しい患者さんがいたりします。そのあたりはある程度妥協が必要な所ですが、中にはその職場が自分に合わないからと数カ月単位で職場を転々とする「ジプシーナース」も存在しています。看護業界では転職はそう珍しいことではなく、ずっと一カ所の職場で仕事をしている人もいますが、三回、四回と転職を繰り返している人も珍しくありません。転職の理由もキャリアアップや結婚などの家庭の事情等いろいろですが、ジプシーナースの場合は「職場が自分に合わない」「いじめ、パワハラを受けた」といった理由で職場を転々としているのが特徴です。

ジプシーナースになってしまうと、その職歴も数カ月単位で変わっているために、新しい職場の面接でもあまり良い印象を与えません。そして、それでも雇ってくれる職場はやはり「それなり」の所であって、またいじめやパワハラ、悪い職場環境であるといった負のスパイラルに陥ってしまいがちです。確かに、客観的に見て悪い職場もありますが、目先の充足感や理想にこだわって安易な転職をすることは良いことではありません。

では、そういうったジプシーナースにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?

ジプシーナースにならないためには、何よりもまず自分について知ることが大切です。ジプシーナースの声を聞くと、どちらかというと「職場が悪かった」「人間関係が悪かった」などと転職を環境のせいにしているように思えます。もちろん、実際に「ブラック」と呼ばれるような悪い職場や意地悪な同僚も存在しますが、自分の方には非はなかったのでしょうか?闇雲に次の転職を考える前に一度自分の人との関わり方や職場での立ち位置を振り返ってみたほうが今後仕事を続けていくためによい勉強になります。

心理学ではいろいろな性格分析がありますが、例えば何か問題が起こったときにその原因を自分の外に求める傾向の人と、自分の内に求める傾向の人がいます。これは他罰的、自罰的ということですが、他罰的な人は周りといさかいを起こしやすく、自罰的な人は自分を責めてうつ病などになりやすいものです。自分がどういう性格傾向があるのかを知るだけでも人間関係の問題を解決するヒントになることがあります。

また、特に都会では看護師の求人が多すぎるというのもジプシーナースを生む要因の一つです。最近では看護師向けの転職サイトなどで好条件、高待遇をうたった求人も多く見かけるので、ちょっと仕事が嫌だなぁと思ったときに、つい「隣の芝は青い」と転職へ走ってしまうこともあり得るでしょう。現在、大方の病院で看護師が不足していることから看護師は売り手市場と言えます。見かけの求人数も多く「ここが駄目なら他がある」という気分になってしまうことも確かです。しかし、いくら探し回ったところで完璧に理想通りの職場などまず見つからないのが現実です。妥協する所は妥協し、自身で直すべき所は直して無益な転職を繰り返すことは避けた方がいいでしょう。